受注生産いたします。
発送目安:ご注文から4週間程度。
【商品説明】
もこもこの羊毛100%を手で紡いで糸にし、はた織機で手織りしたホームスパンのショートマフラーです。
「ぐるぐる巻くのは疲れちゃう…。」そんな声からデザインを考えた、バンドに通してとめる短いマフラーです。
巻き方に悩むことなく形が決まり、短いので上着の邪魔にもなりません。
また外した際コンパクトにたたむことができ、「使い心地」と「納め心地」の良さを併せ持っています。
一方の端を茶色にして、バンドから通すとチラッと覗くアクセントにしました。
BS TBS『美しい日本に出会う旅』で、松下洸平さんへのプレゼントとして瀬戸康史さんが俳優リレーで選んでくださったショートマフラーのデザインです。
使用している羊毛のうちグレーと茶は染めを行わない羊毛そのままの色を活かし、染色の紺色と合わせて、クラシックなヘリンボーン柄に織り上げました。
羊は世界に約3,000種類もいると言われ、その中には白だけでなく、グレーや茶色の毛をもつ種類もあります。
このショートマフラーに用いた羊毛もそのうちの2種類で、よく見ると濃淡が混在する複雑な深みのある色をしており、様々な色のお洋服に合わせることができます。
また、この短いデザインに合うように端の処理にも一工夫を。
フェルトを作るニードルパンチの技法を応用し、結び目のないふさふさな表情に仕上げました。
短い分とても軽く、それでいてホームスパン特有の優しい温かさを楽しめる1枚です。
【商品詳細】
長さ:約75cm(+房)
幅:約17cm
織り組織:ヘリンボーン柄
使用羊毛:コリデール種、ロムニー種、(ニュージーランド産)シェットランド種(イギリス産)
品番:S-26-505
【短くてもあたたかいワケ】
軽くて温かいホームスパン。
その理由は空気です。
「ホームスパン」とは手紡ぎ手織りの毛織物をさします。
特徴はその製法で、手紡ぎで手織りであることがホームスパンの要件です。
そしてこの手作業であることが、機械で製造する工業製品との大きな違いを生みます。
工業製品はその速さが最大のメリットですが、速く織るためにタテ糸をピンと強く張る必要があります。
そして強く張っても切れないことが重要で、強度を生むために糸に撚りをしっかり掛けます。
すると強度は生まれるのですが、羊毛本来の空気は押し出され、風合いがトレードオフに。
一方で「ホームスパン」は手織りの為ゆっくり進みます。
タテ糸も強く張る必要はなく、過度な強度も不要です。
撚りは甘く、糸に羊毛本来の空気が残ったまま仕上がります。
空気を含んでいるため糸は軽く、断熱材の役割も果たして、結果的にホームスパンの特徴である「軽くて温かい」に繋がります。
何かと速さが求められる世の中ですが、ほっと一息、時間と空気が織り重なった「ホームスパン」に、ふわっと包まれてはいかがでしょうか。
【洗濯方法】
ご自宅での手洗い、またはドライクリーニングが可能です。
手洗いの際は、40℃ほどのぬるめのお湯に中性洗剤を溶かし、優しく押し洗いしてください。
お湯を替えすすいだら、ネットに入れて単独で洗濯機で1分ほど脱水します。
形を整え風通しの良い場所で陰干しして下さい。
アイロンはあて布をし、触れる程度に浮かせながらスチームをたっぷりあてるとふっくら仕上がります。
※縮み(フェルト化)を防ぐコツは”低刺激”です。
「水温の急激な変化」「強い摩擦」「酸性やアルカリ性」を避けることがポイントです。
【その他】
・ひっかけ、虫食いにご注意ください。
【ホームスパン(Homespun)とは】
「家庭で(Home)、紡がれた(Spun)」と直訳されるホームスパンは、明治期にスコットランドから日本に伝来しました。
発祥地スコットランドで、羊の毛から糸を紡ぎ布を織り、家族の服を仕立てた家庭の営みが語源となっています。
岩手では現在の二戸市に赴任した宣教師からホームスパンの物語が始まりました。
それまで綿や絹の織物を生業としていた職人が、新たに羊毛を用いるホームスパンの技術を習得し、現在に至る系譜が生まれました。
時は戦争の時代に移り、軍服などに使う羊毛生地が輸入できなくなり日本政府が自国生産へ舵を切りました。
主に冬の農閑期の副業として、羊毛を紡ぎ織るホームスパンの生産が全国各地に広まりました。
戦後もしばらく、衣服は仕立てるのが当たり前の世の中で、ホームスパンは隆盛を極めました。
そして岩手県は全国で唯一、県政としてホームスパンの研究施設の設置や個人では買えない様な高額な仕上機械を導入しました。
これにより品質と生産量が飛躍的に向上し、「岩手のホームスパン」は全国に知られる地場産業としての地位を確立しました。
この県政が、現在の「全国唯一のホームスパン産地・岩手」に大きく寄与したと言われています。
順調だったホームスパン産業ですが、やがて訪れたのは高度成長期という時代の波でした。
あらゆる産業の工業化が進み、大量生産・大量消費のうねりにより手しごと・ホームスパンの需要は急速に失われていきました。
デザインや機能性の追求など様々な手が尽くされる中、主力商品を服地からマフラーなどのファッションアイテムに移すことで、何とか産業を繋ぎました。
途絶えてしまう手しごと文化も多い中、空気を含み羊毛らしさを残すふわっと軽くて温かい風合いは、厳しい寒さの岩手では特に重宝され、また「糸を紡ぐ」「布を織る」という根源的な営みが人々の心を惹きつけ続けました。
そんなホームスパンの魅力、先人たちの知恵や技術、想いは時代を超えた現在にまで至り、20代30代の若い購買層や新しい職人の誕生、体験や教室の新設などの形で受け継がれ、歩みを続けています。
また社会的にも「良いものを、大切に使い続ける」そんなマインドが、大量生産の対極として根を伸ばしています。
どちらが良い悪いの二極ではなく、自然と共にあれるヒトの豊かさとして、工業と手しごとが共生できる選択の余白として漂う。
ホームスパンはそんな存在の一つとして、これからも先も次の時代に受け継がれ続けていくことを願っております。