ホームスパンのショートマフラー 菱形柄【グレー×白(無染色)】
ホームスパンのショートマフラー 菱形柄【グレー×白(無染色)】
ホームスパンのショートマフラー 菱形柄【グレー×白(無染色)】
ホームスパンのショートマフラー 菱形柄【グレー×白(無染色)】
ホームスパンのショートマフラー 菱形柄【グレー×白(無染色)】
ホームスパンのショートマフラー 菱形柄【グレー×白(無染色)】

旅する羊

ホームスパンのショートマフラー 菱形柄【グレー×白(無染色)】

通常価格 ¥17,600
単価  あたり 

在庫あり。

発送目安:ご注文から3日以内。

 

【商品説明】

もこもこの羊毛100%を手で紡いで糸にし、はた織機で手織りしたホームスパンのショートマフラーです。

「ぐるぐる巻くのは疲れちゃう…。」そんな声からデザインを考えた、バンドに通してとめる短いマフラーで、手軽な使い易さがポイントです。

バンドに通すだけなので、巻き方に悩むことなく一発で形が決まります。

また外した際、コンパクトにたたむことができ、使い心地だけでなく使わない時の『納め心地』の良さも特徴です。

 

使用している羊毛は染めを行わず、羊そのものの色のまま糸に紡ぎ、織っています。

タテ糸に自然な濃淡のあるグレー、ヨコ糸に優しい生成の白で菱形の柄を表現しました。

世界に約3,000種類もいると言われる羊たち。

その中には白だけでなく、グレーや茶色の毛をもつ種類もあり、このマフラーに用いたグレーもそんな羊の中の1種類で、よく見ると濃淡が混在する複雑な深みのある色です。

こんな毛の羊が草原を歩いていたのかなと想像がふくらむ、自然の恵み・羊の恵みをそのまま柄に活かした1枚です。

実用面では

・モノトーンなのでどんなお肌のお色とも相性が良く

・グレーに濃淡があるため様々な色のお洋服に合わせることができ

・ナチュラルカラーながら明るいので着こなしのアクセントに

・そして短いことで上着の邪魔にならない

といった嬉しいポイントも併せ持っております。

 

また、この短さに合うように端の処理にも工夫を凝らしました。

フリンジではなく短い処理にしたい、でも結び目は硬くてゴロゴロするので避けたい…。

そんなデザイン的な理想を形にしたのが、フェルトを作るニードルパンチの技法です。

ニードルパンチでちくちく繊維そのものを絡めることでほつれを防ぎ、結び目のない糸処理に仕上げました。

結果的に羊毛を感じられるふさふさした見た目となり、このマフラーのデザインの特徴の一つにもなっております。

 

「で、短いのは良いけど、肝心なあたたかさは?」という疑問もよく頂きます。

そしてその答えはズバリ、あたたかいです

そのワケは、ちょっと長くなるので後述いたしますので、良かったらご参考下さい。

 

岩手の地で100年を超えて手から手へ脈々と受け継がれるホームスパン。

足踏みの紡毛機と手織りばたを使い、カッタンカッタンと静かな音を纏いながら、ゆっくり丁寧に仕上げた、体温のようなあたたかさのホームスパンをどうぞお楽しみください。


【商品詳細】

長さ:約76cm(+房)

幅:約18cm 

織り組織:菱綾

使用羊毛:コリデール種、ロムニー種(ともにニュージーランド産)

品番:S-26-501 

※ふるさと納税出品中(BI-005-a)

 

【短くてもあたたかいワケ】

理由はやはりホームスパン=手紡ぎ手織りであることが最大の要因で、これは手織りと機械織りの「タテ糸の張り具合」という構造的な違いから生じます。

違いがイメージしやすい様に、まず機械織りから見ていきます。

機械織りは効率を重視し速い速度で織り進みます。

織りとはタテ糸を上下に開いて、その間にヨコ糸を織り込んでいくのですが、この上下する動きが高速なので、糸がたわんで織り間違いが起きないように、タテ糸はピンと強く張ります。

タテ糸を強く張って織られた機械織りの布は、糸の波打ちが少ない平坦な仕上がりになります。

次に手織りの場合です。

手織りはそもそも高速では進まないので、タテ糸を無理に強く張る必要がありません。

緩い張りで織ることができます。

張りが緩いと織られる布は、タテヨコの重なる糸が波打ち、ふっくらした仕上がりになります。

この、糸の波打ち加減がもたらす”ふっくら”と”平坦”の違いは、布に空気がどれだけ含まれているかから生まれる違いです。

更に、もう1つの大きな要因は、糸です。

織りの製法の違いは糸の違いにもつながります。

また機械の方から見ていきますが、ピンと強い張力に耐えるために糸に求められる要素は”切れないこと”です。

切れないように丈夫な糸にするためには、撚りをしっかり掛けます。

ですが撚りが強くなる分損なわれるものがあり、それが繊維の間の空気の層です。

撚れば撚るほど空気が押し出されて繊維の密度が上がり、強度が増して硬い糸になっていきます。

では手織りの方はどうか。

もう想像がつくかと思いますが、織る時張りが緩くすむので糸に機械の時ほど強度は求められません。

つまり糸は、撚りが甘くて良い。

撚りが甘いと、繊維の密度が低く空気をたくさん含んだ、羊毛本来のもこもこしたエアリーな風合いになります。

つまり、撚りの強い弱いと空気の量はトレードオフの関係にあります。

とは言えいくら手織りでもタテ糸は張るので、ある程度の強度は必要になります。

この塩梅を、羊毛の繊維の向きや密度、ダマ、羊の個体差による繊維のほぐれやすさを感じながら微調整できるのが、手紡ぎです。

手織りに丁度良い、また仕上げたい作品の風合いによって、繊維の様子を見て声を聞きながら、最適な糸を紡いでいきます。

 

結論、こうした織りと紡ぎそれぞれの事情の違いが含有する空気の量に違いを与え、結果的に織り上がる布の重さと保温力の違いとして現れます。

ダウンウエアや住宅の断熱材が空気の層を持つことで熱をつかまえあたたかさを保つのと同じ仕組みで、糸・布ともに空気を多く含むホームスパンは、構造的に軽くて温かいのです。


そしてこの仕組み、あたたかさはマフラーが短くても健在ですので、首周りを一巻きしかしないショートマフラーながら、あたたかいのです。

 

 

【洗濯方法】

ご自宅での手洗い、またはドライクリーニングが可能です。

手洗いの際は、40℃ほどのぬるめのお湯に中性洗剤を溶かし、優しく押し洗いしてください。

お湯を替えすすいだら、ネットに入れて単独で洗濯機で1分ほど脱水します。

形を整え風通しの良い場所で陰干しして下さい。

アイロンはあて布をし、触れる程度に浮かせながらスチームをたっぷりあてるとふっくら仕上がります。

 

※縮み(フェルト化)を防ぐコツは”低刺激”です。

「水温の急激な変化」「強い摩擦」「酸性やアルカリ性」を避けることがポイントです。

 

【その他】

・ひっかけ、虫食いにご注意ください。

 

 

【ホームスパン(Homespun)とは】

「家庭で(Home)、紡がれた(Spun)」と直訳されるホームスパンは、明治期にスコットランドから日本に伝来しました。

発祥地スコットランドで、飼育している羊の毛から糸を紡ぎ布を織り、家族の服を仕立てた家庭の営みが語源となっています。

日本には宣教師が伝えたとされ、岩手では現在の二戸市からホームスパンの物語が始まりました。

それまで綿や絹の織物を生業としていた職人が、新たな文化としてホームスパンの技術を習い、家庭や工房に持ち帰り、現在に至る系譜が生まれました。

時は戦争の時代に移り、軍服などに使う羊毛生地が輸入できなくなり政府が自国生産の政策を推し進めました。

それは全国の農家の冬の農閑期の副業とするもので、羊毛を紡ぎ織るホームスパンの生産が全国各地に広まりました。

戦後もしばらく、衣服は仕立てるのが当たり前の世の中で、ホームスパンは隆盛を極めました。

そしてこの頃、岩手県が全国で唯一、県政としてホームスパンの研究施設を作り研究員を配置、更に個人では買えない様な高額な大型の仕上機械を導入しました。

これにより質と生産量が飛躍的に向上し、「岩手のホームスパン」は全国にその名を轟かせました。

評判も上がり需要が増えれば生産体制も拡充するのが自然な流れ。

たちまちホームスパンは岩手の地場産業としての地位を確立しました。

この岩手県の取り組みが、現在の「全国唯一のホームスパン産地・岩手」に続くとは、きっと当時の誰にも予想できなかったことと思います。

順調そのものだったホームスパン産業に陰りをもたらしたのは高度成長期でした。

あらゆる産業の工業化が進み、大量生産・大量消費が世界のトレンドとなり、そのうねりは繊維業界も飲み込みました。

手しごとのホームスパンは急速に需要を失っていきました。

見た目の真新しさや、機能性の追求など、様々な手が尽くされましたが為すすべはなく、ホームスパン業界は主力商品を服地からマフラーなどのファッションアイテムに移すことで、何とか産業を繋ぎました。

時代の流れの前に、この手しごと産業は風前の灯火であることは誰の目にも明白でした。

しかし一方で、この文化が途絶えることはありませんでした。

作り手として、使い手として、岩手の人々がホームスパンを忘れることはなかったのです。

張力の強さが必須となる機械生産では損なわれてしまう、空気を含み羊毛らしさを残すふわっと軽くてあたたかい風合いと、親子三代使えると言われる耐久性の両立は、手作業による紡ぎと織りの工程だからこそ生まれます。

厳しい寒さの岩手ではこの特徴が必然的に歓迎され、また「糸を紡ぐ」「布を織る」という行為はヒトの根源的な営みとして作る悦びを伴い、経済活動とは別の次元で作る行為そのものが心を惹きつけます。

だからこそ、新しい職人の誕生や20代30代の若い購買層、体験や教室などの施設の新設…。それぞれ数は多くないながらも確実に現象として起きています。

「良いものを、大切に使い続ける」

そんなマインドが、大量生産の対極として根を伸ばしています。

どちらが良い悪いの二極構図ではなく、地球というフィールドで、植物や動物と共にあれるヒトの豊かさとして、工業と手しごとが共生できる選択の余白を、みんなで分かち合うことが許される。

ホームスパンはそんな存在の一つとして、次の時代に受け継がれていくことを願っております。